上達のコツ3「しない」という選択


さて、お稽古事などの上達のコツを私の経験からシリーズでたまに書いていますが、いよいよ一番大事なお話。「ここ」が本当にミソです。


上達の為に、お稽古量を増やしたり、方法を変えたり

生涯試行錯誤をして来ている筈。


そこなんだなぁ、、、

あなたはいつも

「何が足りないんだろう?」と考えて

あれもこれもやってしまうのです。

それ、逆です。


「何を余計なことをしているのだろう?」

と考えて見て下さい。

それはお稽古の方法もそうだけど

シリーズの1で述べた様に、あなたの生活

日常の過ごし方、全部からそう考えて下さい。


お稽古をすべく環境が整っていないと

何をやってもダメ、と1では書いたつもりです。

ならば、その環境はどう正すか?

「やる」んじゃなくて「やめる」んです。


今、あなたはやり過ぎなのです。

時間は有限なので、あれもこれもやっていたら

大事な上達の為のお稽古時には疲れていて

身体の調子がベストじゃないなんて

上達のしようがありません。


では「しない、やめる」選択はどうやって行くのでしょうか?



私の場合はあまり多くの人の参考にはならないと思うのですが、それでも何か閃きがあるかもしれません。私が「しない、やめた」ことを一気に思いつく限り書いてみたいと思います。


1:洗濯物をたたむのをやめた

下着や室内着のスウェット系のパンツなど、
たたまないでも皺にまったくならず、
くしゃくしゃでも大丈夫な衣類は多いと思います。
それらをたたむのを止めました。

乾いたらそのまんまたたまずに押し入れケースの中に。
この押し入れケースも、家にお客様が来ることがないので、
思い切ってなんとリビングに出したのです。

ベランダに通じるサッシドアの横に置きました。
見た目はかっこ悪いけど、家には誰も来ない。
そして私はお洒落じゃないので、これくらいのブスインテリアで
別に何も自分にマイナスの影響はありません。

ベランダの洗濯物を家に入れると、サッシドアの前に山が出来ます。

そのまま掴んでポイポイ、ケースに入れるだけ。
ほんの10秒程度で全部終わります。

たったこれだけのことなのですが、

嘘の様に生活が楽になりました。

嘘の様に「自由な時間」が増えました。


2:人付き合いをやめた。

まあ、そもそも私などポンコツなあまり、

人とお付き合いが体力的に持てません。

介助者でもいない限り、そうそう自由に外出は出来ません。

でも誰とも会わず話すこともない生活ってとても辛いのです。


家に誰かが来てくれる分には負担になることは

ほぼないのですが、外出は大変であっても

人と会って話したり人並みな社会生活を味いたくて

外に出ちゃうんですね。

でもその度に、過度な負担で何日も寝込む羽目になったり

入院することもあります。

出なきゃ良かった、とは思ったことはないのですが

「何かがおかしい」と考えたのです。


それで「何がおかしいか」分かったのです。


ここからは皆さんにも当てはまると思います。


結局、そうしたくてしているのだけど

A:本当にものすごい興味と感心があってそこに行っているのか


B:ただ寂しく、または暇で、何となく、みんなが行くから、

時間つぶしに、そこに行っているのか?


Bだと心身共に疲れるだけで、楽しいという記憶も

残らないし、何も学びもありません。

ただ時間を物理的にいつもと違う場所で過ごし、潰しただけ。


なので、Aでない限り出るのを止めました。

たまにあるお誘いなども、Aでない限り、相手の方に

どんなに強くお誘いを受けても全部お断りをするようにしました。

もちろん、とても断りずらいです。

でも、嘘を吐くともっと次から次に断りずらくなったり

自分の生活自体を壊しかねないので、正直に理由を言って

断る様にしました。


「寝込むほど体調を壊す危険がある」と。


皆さんもBで人に付き合って、時間を過ごし

お金まで失って、何だかいつもピーピーしていませんか?


これ断りずらいけど、よく考えるとそうでもないのです。

私の様に虚弱の理由がなくても、ちゃんと理由があるでしょう?


「いや、断るわけにはいかなんだ、人付き合いは」なんて

ことは「存在しない」のです。


大事なのは本当の自分の現状と気持ちを伝えることです。


「どうしても勉強やお稽古をしたいことがあって、

(私には余裕がないので、と言ってもいいでしょう)
時間もお金もどうしてもそちらに使いたいのです。」


と、言われたら、言われた方はもう何も言えません。

付き合いの悪い野郎だ、なんてあなたのことを思いません。

むしろ尊敬されるでしょう。

相手も内心、「すげぇ~私もこうしなければ!」と

焦るでしょう。


「いいなぁ、、その真面目さ、、羨ましい」とも

思われるでしょう。


結局、人付き合いは、どうしてもそれに参加したい

という強い気持ちがある以外の物は全部断れるのです。

「付き合い」で付き合っていると、心身の影響にも非常に悪く

時間もお金も失い、更にお稽古の上達を遅らせます。


少し一見勇気がいることに思えるかもしれませんが

やってみると全然そうでもない。

ハッキリ、別に誰も「まったく」気にしません。


3:食洗器を買った

洗い物は自分でしない。

これは一人暮らしで食器が少ない頃からそうなのですが

鍋も入るなら食洗器で洗ってしまいます。

これで、水道代は1/5.

食洗器は今、タンク式の工事の要らない物が出ていて

爆発的に売れているのを知っていますか?

それも今、「洗うだけ」の機能しか付いていない代わりに

超安価な物が買えるのです。

これ、お勧めです。


いつも流しに山の様な洗い物を見て

後回しにして、現実逃避をしていい加減洗わなくては

いけないので洗う、なんてのを繰り返していませんか?


でもこの「洗うだけ」食洗器があるだけでも

流しはいつもピッカピッカ。

いつでも料理にも励めます。

なんて気持ちいいのでしょう。

毎日1時間以上の時間を一気にこれで節約。

同時に水道代も。

これは買って大正解で私の生活に

ウルトラ大きな利益をもたらしてくれました。


3つまで書きましたが、まだまだたくさんの

「しない」「やめた」ことなどがあります。

そして現在はしなくていいことは「全部しない」

をキープしています。


なのでたくさんの時間自由が私には出来たわけです。


「捨てられる」「やらなくていいこと」は本当に小さなことから大きなことまで、たくさんあります。捨てられる限り捨てて行くと、それに比例して「すべき」ことに環境が整い、上達につながります。


お稽古でもお掃除でもお料理でも「何かをする」

ということは、「何かをしない」ということを先に

「身体に徹底的に覚えさせる」訓練をしないと

上手には出来ないものです。


体力が絶対的に必要な物事であれば、前日の睡眠が

とても大事でしょう。

「今日1日くらいは無理をしても」

なんてことはプロならしません。

それがどんなに悪影響を及ぼし、自分を滅ぼすか

知っているからです。

一睡もしないで徹夜マージャン明けで

金メダルを取る人はいないでしょう。


「しない、やめる」は難しいことじゃなくて、

例えば、靴下を履かなくても家の中では大丈夫でしょう?

なら履かなくするだけでも、時間はまた生まれるのです。


私は洗濯物をたたまない、を実験的にやってみたのです。

私はすごく几帳面で神経質なのです。

なので絶対に出来ないと勝手に思い込んでいました。

やってみたらもう一瞬で元に戻れなくなりました。

「あら、これでいいじゃない。」って。(笑)


数年前から「しない」とか「やめる」ことについて

書かれた本などもずいぶん出ていて、どれもこれも

ベストセラーになっているそうです。


私はやっていることはこれらとまったく同じな上に

効果も同じなのですが、ちょっと考え方が違うのです。


「一歩前」から物事を考える習慣を付けているのです。


ヒントを1つ。

これは日本の声楽のお弟子さんに、初めてお稽古をした時

の実話です。


「ではまず身体の力を抜いて、深呼吸をしましょう!」


と、私が言ったのです。

お弟子さんも黙って私についてきます。


「では、思い切り‘‘息をはいて~‘‘」


と、私は言ったのです。


お弟子さんに後にこう言われました。

「目から鱗。ビックリした。吸うんじゃんなくて

吐くんだ!!そうか!」


そうだよ。吐かなくちゃ、吸えんだろう。


日本の音大声楽家を出て、色々な先生を渡り

一度も言われたことがなかったそうです。


そうなんです。世界は本当に広いんです。

あなたの概念を覆すことはまだまだいっぱい。


何かを始める時には、「何かをしない、やめる」

その前には何が存在しているのか、よく考えてみて下さい。

この習慣が身に着けられれば、何でも上手く行きますよ。


いつも最高にシンプルの状態を保っていて下さい。

それが断捨離の人もいるし、精神の人もいるし。

両方そこそこシンプルが丁度いいんじゃないかな。

あんまりタイトなのは良くないと思うよ。

それもストレスになっちゃう。


ちょっとくらい汚くてもいいから、物のないシンプル

な部屋か、物があるのなら埃がない様に清潔にしようね。

こんなもんで、物事の上達は丁度いい。

スパイスも大事だからね。


ここまで下手な文を読んでくれて本当にありがとう。



今日からなにをしない?










Joséphine Nidy's Official Site

世界でただ一人のオルゴールルネッサンスシンガー。その歌声は’永遠のボーイソプラノ’。スリークッションビリヤードの愛好家でもあり’歌うハスラー’として世界中のビリヤードシーンでも活躍をしている。

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