毎週(水)は訪問看護の日です。
素敵な女性の看護師さんがお見えになります。
とても心の癒される本当に素敵な方なのです。
看護師の鏡!看護師とはこうあるべきだ!
みたいな方で本当に良い方に当たって良かったと
心から思っています。
彼女とお茶を飲みながらお話をするのが楽しみで
写真はたくさん買い置きのあるビターチョコ。
お好きだそうで良かった。
帰りにいっぱい持って帰ってもらいました♪
セイロンシナモンというのはまだお出ししたことがなく
コーヒー、紅茶、何にでも好きな飲み物に入れて
楽しむ新しい製品を発見したのです。
それで次回にお出ししようと思っています♪
さて昨日は水曜日。
訪問看護の日で昨日は私の仕事の話になりました。
その話題になったきっかけは、先週の(金)に
診療以外に所用があって少しお見えになりました。
その時にドイツ人の友人のギタリストのサミュエルが
丸2年ぶりに来ていていました。
彼は私の生オルゴール歌を聴いたことがなかったので
歌ってあげた話などをしました。
それで奥の間から出したオルゴールがそのまま居間にあって
丁度彼女の後ろにあったのです。
それで特にリクエストされたわけじゃないのですが
彼女の帰り際にオルゴールで1曲歌ってあげよう!と
何故か思ったのです。
この時実は、自分でも何故そう思ってそう言ったのか
不思議で、普段の自分には「ない行為」なのです。
まして、病中リハビリ中でまともに歌も歌えない状態です。
1年近く発声練習がまったく出来ない状態が続いているので
声が出ず、そんなに高い音域でなくても声がかすれてしまう
のです。それを前もって説明して、歌い出しました。
CDの一番最初にあるこれ
本当に風邪を引いている人が治りかけで、普通に声は出るけど
なんとなくかすれている、てな感じなんです。
少し高めの音になると、声がまったく出ずに無音状態になったり。
ロングトーンも2秒ほどで声が出ずに無音になっちゃうのです。
寝起きで歌う感じかな。まったくそっくり。
何だか申し訳ないな、、と歌った後に思ってお話をしていると
いつもの変わらない看護師さんのお顔と優しい口調で普通に
話していて、目頭をハンカチでちょろちょろと抑えるのですが
泣いているわけでもなく、目に何か入ってちょっと拭いた様な
感じでした。すると、「何だか感動しちゃって」とこれもまた
ごく普通にお話になるので、「ありがとう」の意味を
この言葉に変えて言って下さる方は多いので、そうだと
思ってありがたく心で受け取っていったら、その次の瞬間
「何だか感動しちゃって、、、」とまた同じ言葉と一緒に
すごいたくさんの涙をボロボロ、、、、と流したのです。
ウルウルではなく、ボロボロ。。。。
私の方がビックリしてしまって、本当に今もビックリした
ままです。
もちろんそう言って下さるのはとても嬉しいです。
ありがとうございます、と何度も言いました。
彼女はどんな気持ちで何故涙がたくさん流れたのでしょうか。
それもかすれたひどい声なのに。
実はウルウルする方、ボロボロする方、ウっと来る方。
そう言って下さる方がとても多いのです。
熱海の病院に入院中に最後の5日間ほど4人部屋になりました。
私以外の3人が先に居たお部屋で、全員入院が長くとても
仲良しさんの3人でした。私は東京に転院の為に短い期間で
皆さんとさよならすることになったのですが、最後の日に
お別れに皆さんに歌を1つアカペラで歌ったのです。
それぞれベッドにいるので、姿は見えないのです。
歌った歌はこれ。
歌が終わると皆さんがとても喜んで下さり、ベッドから
たくさんの拍手を送ってくれました。
そして「涙が出そうになった」とおひとりの方が言うと
「私も!」「私も!」と。
「本当に何だか胸に込み上げて来てetc,,,,」と言うのです。
本当に私も心から嬉しく
ありがとう!としか言えないのですが
実はいつも「何故なんだろう?」と不思議に思うのです。
私の歌が彼女たちの何にタッチするのでしょうか?
でもそれを聞いてもおそらくご本人にも言葉にして
明確にその理由を答えられる人はいないと思うのです。
場合によっては少しの方は、
「実はこんな思いと重なってしまって」
という方はいるかもしれません。
皆さんが泣いて感動した、と言って下さる喜びの
表現を受けるたびに、別れて後に帰ってから
「どうしてだろう?」と何度も何度も考えるのです。
そこに答えは出て来ないし、どんな想像も自分の中で
「違う」と思うのです。
看護師さんには歌い終わった後にお話しをしたのですが
私は人前で歌を歌う時に「頑張ろう!」とか
「少しでも上手に歌おう!」とかまったくないのです。
10代の頃なら何度かあったかもしれません。
何十年もの長い歌手生活の中で、色んな問題に
ある日、天から降りて来るように答えがやって
来る時があるのです。
歌を一番上手に歌う極意はないのです。
そこではないのです。
演奏が終わった後に
「自分はその時間真剣だったか」と自分に問うと
すべての時間がそうだったとは言えない時があることに
気が付いたのです。
ふざけていたり、いい加減な気持ちであったりする
わけではないのですが、迷いや不安などがずっと
付きまとわい離れなかったことなどは演奏家の方なら
一度はあるのではないでしょうか?
逆から言えば、演奏が終わった後に、上手く演奏が
出来たかどうだったか、ばかりを考えないでしょうか?
今日の演奏はダメだった、あああ、、と落ち込んだことは
ないでしょうか?
ありますよね。
私もありました。
それ、真剣じゃないんです。
本当にその時間、今この瞬間瞬間を噛みしめて
真剣に自分自身に向き合うのです。
きちんと意識をしないと、自然にはそうなりません。
歌う相手の方に対して真剣に向き合うのです。
真剣に歌うのです。どの瞬間瞬間も。
終わった後に自分に聞くのです。
「真剣だったか?」
「うん!」と答えられれば満点なのです。
そこに気が付いてから私はいつでもどんなコンディション
の時でも真剣に歌える様になりました。
この「真剣だったか?」のお話を看護師さんに
しました。うんうん、とうなづいて聞いてくれました。
演奏後のその自分の問いかけに
「うん!」と言える様になるまでは
とてもとても長い時間が掛かったのを覚えています。
泣いて感動した、と言って下さることは嬉しいですが
その姿が何よりも嬉しいのではなく、むしろ
頭を下げて「泣かないで。こんな歌で、、」と
思ってしまうのです。
だからその皆さんの姿と言葉に本当にお応え出来る
様にならなないと、と演奏する時はいつも思うのです。
そのお言葉に添えられる歌い手になれたら
本当に嬉しいです。
だから、また歌わなくちゃ、そういう歌手になれるように
頑張りたいな、と私もひとりになってウルウルしました。
また神様がこの気持ちを思い出させる為に
昨日、私を歌わす様に仕掛けたのか、、、
と思いました。
ありがとう。神様。
そして看護師のTさん。
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